FEDERAL-FLEX アジアクロスカントリーラリー2013は12 日、アランヤプラセートのホテルを基点にループコースをとる総走行距離414.86km、うちSS2/243.59kmで予定されていたが、昨日のスコールの影響で189.44kmに短縮され実施されることになっていた。しかし昨日降った雨の影響は予想外に大きく一部が通行不可、SSはさらに短縮された。
まず、ラリーはホテルから約100kmのRS(リエゾン)を経てSS2に臨む。この日のSS2はPC一カ所を含む今回のラリーで最長のSSだったが、SSは後半の約50kmがけずられ、さらに前半も途中通行不可の部分があったため、TC前の前半が四輪はすべてキャンセル、結局約70kmという短いSSとなった。コースは昨日同様泥の深いコースではあるものの、昨日ほどの粘り付くような重い泥というよりは細かな石も混じったマッドセクションの多いSSだ。
今日のSS2ではタイの参加者の走りが光った。#5 Wichai WATTANAWISUTH/Somkiat NOICHAD組(ISUZU D-MAX)を筆頭に#8 Wichawat CHOTIRAVEE/Thanachok SANSAWAT組(ISUZU D-MAX)、昨年3位の#2 Chamnan ON-SRI/Cholanat PHOPIPAT組(MITSUBISHI TRITON)、#15 Paitoon THAMMASIRIKUL/Thanyapat MEENIL組(ISUZU D-MAX)、昨年優勝の#1 Nuttapon ANGRITTHANON/Kittisak KLINCHAN組(ISUZU D-MAX)と上位5台をタイのクルマが占め、しかもタイムは1時間20分台から23分台とタイムは大きく離れていない。
SS2 1st
#5 Wichai WATTANAWISUTH/Somkiat NOICHAD
(MAXXIS N MORTORSPORTS ISUZU/ISUZU D-MAX)

SS2 6th
#7 Yoshiro ITO/Takeshi HIRAKA
(Team TAGA meets NAIRAN/ISUZU D-MAX)

その後に続く日本人最上位の#7 伊藤芳朗/平賀健組(ISUZU D-MAX)とは約7分の差をあけている。「今日はタイのクルマがどんな速さなのかついて行ってみようと思ったけど、とてもじゃない、すごいスピードだった」と伊藤選手。とは言え、伊藤選手も一度のスタックとミスコースを喫したものの総合で3位と順位を大きく上げた。
SS2 7th
#14 Satoshi TAKENO/Naoyuki YANAGAWA
(KONYUDOU-KUN with Garage MONCHI KIZUNA MRS/SUZUKI Jimmny SIERA)


また、昨日12番手スタートだった#14 竹野悟史/柳川直之組(こにゅうどうくん with ガレージモンチ・絆・MRS/SUZUKI Jimny SIERA)はSS7位。「今日は頑張ってよく飛ばしました。というのもナビの柳川君がコースを細かく捉えられるし、一段と息がピッタリあって、自然とペースが上がったというほうが正しいかも。でも、SS2ではゴール寸前でオーバーランしてしまって川に半分落ちて初めてウインチを使いました。それでも15分くらいでリカバリーできて、やはり息はピッタリです」とジムニーという小排気量車ながら総合4位に順位を上げた。昨年と同じクルマを使用している竹野選手だが、ホイールを1本で約2kg軽いものに変更したのも走りを良くした一因だという。
SS2 10th
#10 Takatsugu AOKI/Kenji ISHIDA
(TWO & FOUR MOTORSPORTS/MITSUBISHI OUTLANDER PHEV)

また、#10 青木孝次/石田憲治組(TWO & FOUR MOTORSPORTS/MITSUBISHI OUTLANDER PHEV)も10位と健闘、参加者の中で一番車高の低いクルマながらベテランの走り復活といった感じだ。
SS2 12th
#16 Hiromi/Sadatoshi ANDO
(FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing/TOYOTA FJ CRUISER)

#16 ヒロミ/安東貞敏組(FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing/TOYOTA FJ CRUISER)のヒロミ選手もSS2を12位で終え、「アドベンチャーっぽくて楽しかったよ」とこちらも初のラリー参加ながら昨日のマッディコンディションを経験した後ではSS後のその余裕度合いに違いが感じられる。
MOTO部門
二輪ではSS後半の約50kmがけずられ、前半は途中通行不可の前までの62kmが成立、合計約132kmというSSになった。そして、このマッディSSを制したのがスェーデンから参加の#107 Olle OHLSSON(KTM 450EXC SixDays)。「今日はマッドで大好きなコース。最高だった」とニコリ。一方、最長SSで勝負をかけたかった日本勢だが、上位との差は着実につめたもののSS2位、総合2位に#105 江連忠男(YAMAHA WR450)選手、SS4位、総合4位に#102 福岡秀之(HONDA CRF450X)選手。総合首位の#114 Sumaetee TRAKULCHAI(HONDA CRF250L)にそれぞれ約12分、18分の差があいている。
SS2 1st
#107 Olle OHLSSON(Rally Raid Sweden Team KTM Scandinavia/KTM 450EXC SixDays)

SS2 2nd
#105 Tadao EZURE(Team Japan [mcc EZURE]/YAMAHA WR450)

SS2 4th
#102 Hideyuki FUKUOKA(Team Japan/HONDA CRF450X)

SS2 5th
#114 Sumaetee TRAKULCHAI(AP HONDA/HONDA CRF250L)

明日のLEG3はアランヤプラセートからブリラムに向かう総走行距離430km、うちSS3が231.15kmのコース。泥もあれば、サスペンションに負担を強いるラフなコースや高速コースなどバラエティに富んだコースで、途中カンボジアと国境を接するジャングル地帯も走る。