FEDERAL-FLEX アジアクロスカントリーラリー2013は14日、ブルリムからウボンラチャタニに向かう総走行距離501.59km、うちSS4/166.87kmが公式発表だったが、カンボジアとタイの軍事関係の問題によりSSを84kmにカットして行われた。SS4のコースは前半がマッド、中盤でガレ場、後半ハイスピードセクションとバランスのとれた構成で、選手にとって気持ちよく走れるものだった。


 この日はSSが短くなったこともあり、ホテルのMTC(メインタイムコントロール)から1号車が8時にスタート。105.72kmのRSを経てSSに臨む。一番手はタイ・日本の参加者から絶大な人気を誇る#9 Bandit PANTHITA/Pairote PONGSAPAN組(ISUZU D-MAX)で、2位に約4分という差をつける圧倒的速さ。その後#5 Wichai WATTANAWISUTH/Somkiat NOICHAD組(ISUZU D-MAX)、#2 Chamnan ON-SRI/Cholanat PHOPIPAT組(MITSUBISHI TRITON)、#15 Paitoon THAMMASIRIKUL/Thanyapat MEENIL組(ISUZU D-MAX)と3台のタイ勢が僅差で続く。

SS4 1st
#9 Bandit PANTHITA/Pairote PONGSAPAN
(Team Bandit/ISUZU D-MAX)
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SS4 2nd
#5 Wichai WATTANAWISUTH/Somkiat NOICHAD
(MAXXIS N MOTORSPORT ISUZU/ISUZU D-MAX)
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SS4 5th
#6 Takuma AOKI/Ittipon SIMARAKS/Katsuhiko SHIINE
(D-MAX GEOLANDAR takuma-gp/ISUZU D-MAX)
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 そして、このSS4で見事復活を遂げたのが#6 青木拓磨/イティポン/椎根克彦組(ISUZU D-MAX)。実はこの青木選手、プロローグランではならし程度に軽く走らせ問題がないかのように思えたのだが、一日目のSS1でドライブシャフトのトラブルにより二駆となってしまい足回りの修理。二日目のSS2の午後にはタービンが破損して、マシンをだましだまし走らせなんとかSSを終了、当然タービン交換。直ったと思った三日目にはホテルをスタートして再びタービンが壊れ修理。「僕のレースは今日からです!」と言うとおり、今日初めて気持ちよくレースができた。「やっとエンジンが復活して、すごく楽しかった。LEG1ではドライブシャフトが壊れて浅井選手に牽引してもらったり色々ありましたが、明日はいよいよラオス。残りが無いので完走を目指すのはもちろんのこと、一つ一つのステージに全力を尽くして来年につなげたい」という青木選手の走りにナビの椎根選手は「今日のSSは今までで最高の走りだった」と絶賛。青木選手のアジアンラリーは始まったばかりだ。


SS4 7th
#17 Masahiro TERADA/Jia-Ying SHEN/Hirokazu SOMEMIYA
(FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing/TOYOTA FJ CRUISER)
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 7位には#17 寺田昌弘/ロスリン/染宮弘和組(FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing/TOYOTA FJ CRUISER)で、「道幅も広く、赤土、フラットダートで楽しく走れました」と寺田選手。


SS4 8th
#7 Yoshiro ITO/Takeshi HIRAKA
(Team TAGA meets NAIRAN/ISUZU D-MAX)
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 8位の#7 伊藤芳朗/平賀健組(Team TAGA meets NAIRAN/ISUZU D-MAX)の伊藤選手は「昨日は滝下りのところでウィチャイ選手や他のタイの選手を助け、2番手でSSを出たもののすごい重労働だった。今日はほとんどが単独だったけど、明日のラオスはコースがタフそうなので、スタート順がなるべく前であればいい」とクルマの整備に余念がない。


SS4 9th
#16 Hiromi/Sadatoshi ANDO
(FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing/TOYOTA FJ CRUISER)
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 9番手ゴールの#16 ヒロミ/安東貞敏組(FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing/TOYOTA FJ CRUISER)は「後半ハイスピードコースだったけど、押さえつつ来たので楽しく終わったよ」と今日はかなり慎重に走らせてフィニッシュ。


SS4 10th
#12 Michihiro ASAI/Dean CHOU
(Kenny Wen & Mitchy ASAI World Rally Team/D-MAX)
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 10番手に入った#12 浅井道浩/Dean CHOU(Kenny Wen & Mitchy ASAI World Rally Team/D-MAX)はプロローグランでスタックを喫して以来、不運続きのSSとなり、さらに昨日のSS3では追い打ちをかけるように穴に右リアを落としてリーフスプリングのブラケットを破損。ペースダウンをして走っていたら再びスタック、#17 寺田昌弘/ロスリン/染宮弘和組に救出された。今日は初めてパーフェクトなSSを終えた。「今回はちょっとしたミスが重なり体力を使って苦労しているのですが、こういうラリーの一面を体験できるのは幸せなのかもしれないし、明日もまたスタートできるのがハッピーです」と前回参加の時とはずいぶん違うラリーを楽しんでいる。


SS4 13th
#14 Satoshi TAKENO/Naoyuki YANAGAWA
(KONYUDOU-KUN with Garage MONCHI KIZUNA MRS/SUZUKI Jimmny SIERA)
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 13位に入った#14竹野悟史/柳川直之組(こにゅうどうくん with ガレージモンチ・絆・MRS/SUZUKI Jimny SIERA)は「順調にいったけど、このSSは僕らにはきつかった。もう、クルマがはねまくって大変」と竹野選手。ラオスでのSSにむけてリアのショックアブソーバーを交換した。


SS4 13th
#10 Takatsugu AOKI/Kenji ISHIDA
(TWO & FOUR MOTORSPORTS/MITSUBISHI OUTLANDER PHEV)
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 #10 青木孝次/石田憲治組(TWO & FOUR MOTORSPORTS/MITSUBISHI OUTLANDER PHEV)も今やピックアップトラックが主流のアジアンラリーにプラグインハイブリッドの車両を持ち込み、改良を重ねている。「アジアンラリーに合わせてサスペンションや電気系を初日の仕様から見直し、二日目以降はかなり走れるようになった」とチームメカ。現在クルマの調子はいたって順調だ。


MOTO部門

 一方、二輪は一日ぶりにスェーデンから参加の#107 Olle OHLSSON (KTM 450EXC SixDays)が1位。2位は総合トップの#114 Sumaetee TRAKULCHAI(HONDA CRF250L)となった。3位に入った#105 江連忠男(YAMAHA WR450)選手は「ラリー本来の難しさはないけど、おまわりさんが立っていたり、ノーナビでいけるくらいのコース」だったという。4位に入った#102 福岡秀之(HONDA CRF450X)選手も「バランスのいいコースで楽しめた」。

SS4 1st
#107 Olle OHLSSON(Rally Raid Sweden Team KTM Scandinavia/KTM 450EXC SixDays)
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SS4 2nd
#114 Sumaetee TRAKULCHAI(AP HONDA/HONDA CRF250L)
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SS4 3rd
#105 Tadao EZURE(Team Japan [mcc EZURE]/YAMAHA WR450)
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SS4 4th
#102 Hideyuki FUKUOKA(Team Japan/HONDA CRF450X)
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 明日のLEG5はウボンラチャタニから国境を経てパクセに向かう総走行距離285.05km、うちラオスでのSS5が89.65km。午前6時にウボンラチャタニのホテルを出てコンボイで国境を目ざす。


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