FEDERAL-FLEX アジアクロスカントリーラリー2013は15 日、総走行距離285.05km、うちSS5/89.65kmで行われた。この日はタイからラオスへ国境を越えて移動するため、ホテルのMTC(メインタイムコントロール)から午前6時、全車一斉に約80km先の国境を目指した。
SS5は89.65kmで前半の約40kmはスピードをのせて走る事が出来るが、その後は道路が完全に冠水、残りの約40kmは水路を走っているかのようなコースだった。マキシマムタイムは4時間半、バイクのトップ集団はここを2時間ほどでゴールしたが、クルマはトップのクルマが約2時間半、上位5台のみがマキシマムタイム以内。コースでは急坂や底なし沼のような泥に身動きのとれないクルマが続出し、午前0時を回ってもMTCのあるホテルに戻れないクルマが7台という波乱のラリーとなった。
こんな過酷なSS5でトップタイムを収めたのが#3 Vorapot BUNCHUAYLUE/Chupong CHAIWAN組(ISUZU D-MAX)、続いて#15 Paitoon THAMMASIRIKUL/Thanyapat MEENIL組(ISUZU D-MAX)、#2 Chamnan ON-SRI/Cholanat PHOPIPAT組(MITSUBISHI TRITON)で、上位3台をタイのクルマが占めた。
SS5 1st
#3 Vorapot BUNCHUAYLUE/Chupong CHAIWAN
(SITTHIPHOL GROUP ISUZU BRIDGESTONE/ISUZU D-MAX)

SS4 5th
#6 Takuma AOKI/Ittipon SIMARAKS/Katsuhiko SHIINE
(D-MAX GEOLANDAR takuma-gp/ISUZU D-MAX)

続くSS4位が#6 青木拓磨/イティポン/椎根克彦組(ISUZU D-MAX)。「水を跳ね上げて全く前が見えないし、あり得ないようなアップダウンがあり、他のクルマを救助したりされたりと大変だった。快調に走っていたのにあと5kmのところでフロントタイヤがパンクしてタイムロスしたのが悔やまれる」と青木選手。そしてSS5位の#5 Wichai WATTANAWISUTH/Somkiat NOICHAD組(ISUZU D-MAX)までがターゲットタイム以内でこのSSを終えた。

4台同時フィニッシュの珍しい場面も
SS4 13th
#14 Satoshi TAKENO/Naoyuki YANAGAWA
(KONYUDOU-KUN with Garage MONCHI KIZUNA MRS/SUZUKI Jimmny SIERA)

また、SS5をタイムオーバーで終えた#14 竹野悟史/柳川直之組(こにゅうどうくん with ガレージモンチ・絆・MRS/SUZUKI Jimny SIERA)はあと10分で4時間30分以内だっただけに悔やまれる結果となったが、「このSSの中で色んな人を誘導していて、俺らみたいな素人の言う事を聞いてくれるってうれしいこと」だし、「皆で救出することによってホントに大切なことは何かを伝えることはできた。いいレースできたと思う。とにかくチームの皆がいてくれたから大満足」とMTCのあるホテルに到着してチームと喜びをともにした。彼らは今回ラオスの子供たちに文房具などを届ける活動もしている。

SS5 16th
#17 Masahiro TERADA / Jia-Ying SHEN / Hirokazu SOMEMIYA
(FLEX FEDERAL SHOW AIKAWA Racing / TOYOTA FJ CRUISER)







MOTO部門
一方、二輪にとって非常に過酷なコースとなったSS5を制したのはスウェーデンから参加の#108 Magnus OSTERBERG(KTM 450EXC SixDays)。二位には総合トップの#114 Sumaetee TRAKULCHAI(HONDA CRF250L)、続いてスェーデンから参加の#107 Olle OHLSSON(KTM 450EXC SixDays)が三位。#102 福岡秀之(HONDA CRF450X)選手は「長いレース経験のなかでも3本の指に入る最高に過酷なコースで、40kmもの間ずっと水たまりで前がみえない中ゴールした」と5位。6位の江連忠男(YAMAHA WR450)選手が「前半はよかったけど、後半熱中症になりかけ水のなかでしばらく体を冷やした」というのを聞いても、ラオスの暑さとコースの過酷さがわかる。
SS5 1st
#108 Magnus OSTERBERG(Rally Raid Sweden Team KTM Scandinavia/KTM 450EXC SixDays)

SS5 2nd
#114 Sumaetee TRAKULCHAI(AP HONDA/HONDA CRF250L)

SS5 3rd
#107 Olle OHLSSON(Rally Raid Sweden Team KTM Scandinavia/KTM 450EXC SixDays)

SS5 5th
#102 Hideyuki FUKUOKA(Team Japan/HONDA CRF450X)

SS5 6th
#105 Tadao EZURE(Team Japan [mcc EZURE]/YAMAHA WR450)

SS5 7th
#110 Susumu ISHII(Team Japan [PROTECH SPORTS]/HUSQVANA TE250)

SS5 8th
#117 Shinichi YAMADA(Team Japan [PROTECH SPORTS]/YAMAHA WR450F)

SS5 9th
#115 Kazuhiro TANAKA(Team Japan [Adrenaline Boosters]/SUZUKI DR-Z400S)

SS5 12th
#116 Taketoshi KAJINO(Team Japan [STEHANY Racing]/HUSABERG TE250)

明日のLEG6はパクセのホテルを基点とする最終のSS6/51.15kmを含む総走行距離202.01kmで行われる。例年に比べマッドコンディションが多く、過酷となったこのラリーを制するのは誰なのか、フィニッシュ後のポディウムで心から笑えるのはどのチームなのか、注目の結果は明日午後2時半にわかる。