8月14日LEG5。
総走行距離は423.04km、そのうちSSが206.18kmというカンボジアステージ最大の戦いである。
朝7時15分、ホテルをコンボイで出発。22km先のSS5スタート地点に向かう。このSS5はロングコースでありながらPCがない。つまり200km以上もあるSSにもかかわらず、途中でメンテナンスや給油を受けることができないのだ。四輪はどうにか燃料は持つかもしれないが、二輪は途中で給油しなければならないだろう。











まったく雨が降らないため、路面はガチガチに乾いている。しかも平らな道でなく、雨の日につけられた轍がそのまま乾いているためハンドルを取られてしまう。しかも穴が多い。路面はかなり荒れており、モーグルに近しいところもあるほどだ。また路面は滑りやすく、途中でコースアウトしてしまうマシンもいるほど。自力で抜け出せるのであればいいが、そうでなければ、ほかのエントラントの力を借りないといけない。確かにFEDERAL-FLEXアジアクロスカントリーラリー2014は順位を競うものではあるが、同じゴールを目指す仲間として助け合うのも、またラリーだ。コースアウトをしたマシンを牽引するだけでも、かなり時間がかかってしまい、当然その分のタイムは計測される。助けるか助けないかは自由だが、このSS5でも助け合う場面を見ることができた。










また、このアジアクロスカントリーの良さのひとつに、地元の人たちの応援がたくさんあることだ。もちろん、なかなか見ることができない競技マシンは珍しいものがある。村の中はもちろんのこと、ジャングルであっても、どこかしら人が集まってくる。そして、エントラントに話を聞くと、この地元の人たちの歓声が嬉しいとのこと。
このSS5は村の中やハイスピードダート、さらにはジャングルのようなセクションもあり、起伏に富んだ内容だった。雨が降らないためマッディな路面や川渡りの水位はなくなっていたが、その分、平均スピードは上がる結果となり、マシンには大きな負担となった。
#107 池町佳生選手は「距離計が止まったり、ブレーキ系が壊れたりと散々でした。特にブレーキはリアキャリパーサポートが折れてしまいキャリパーを取り外し、ブレーキが無い状態で150km走りました。また、ゴールするとエンジンがかからず、時速30kmぐらいで引っ張ってもらって、やっとエンジンがかかります」。池町選手はこのようなトラブルを抱えつつ、一時はリタイヤかとも思われたが、ゴール地であるプノンペンまでやってきた。
池町選手と対照的なのが、現在総合トップを行く#110 前田啓介選手だ。「今日は超ハイスピードコースだったので、タイムを稼ぐことができませんした。コース自体は間違えようがないぐらいでした」。マシンも問題なく順調で、総合優勝を目指す。
#102 江連忠男選手もトラブルに見舞われた。「ナビゲーションが壊れてしまい、途中で修理をしました。コースは難しくはなかったです二輪はみんなで和気あいあいしつつ、競技を楽しんでいますよ」。今年のラリーの話だけではなく、すでに来年の話も飛び出しているという。二輪ができてまだ3年だが、確実に広がりをみせているようだ。






結果だが、まず二輪は、#118 Koun Phandara選手が、2時間17分46秒でトップに。2位にはTouch Thach選手が1分11秒遅れの2時間18分57秒でゴール。3位には#110 前田啓介選手がトップから遅れること2分39秒の2時間19分14秒でゴールした。
総合成績は、#110 前田啓介選手がトータルタイム6時間22分01秒でトップ。2位にはトップから8分50秒遅れで、#118 Koun Phandara選手がつけている。3位は#102 江連忠男選手がトップから10分28秒差の6時間32分29秒というタイムである。
四輪は、#6 Chamnan ON-SRI / Chonlanat PHOPIPAT・Chakkaphop thepyuhin組が2時間15分35秒でトップ。2位には2時間17分24秒の#11 Nattapon ANGRITTHANON / Peerapong SOMBUTWONG組が入り、3位は#3 Vorapot BUNCHUAYLUEA / Chupong CHAIWAN組が2時間19分12秒でゴールした。日本人最高は#17 小西政敏/大藤眞弘組が4位につけている。
総合成績は、#11 Nattapon ANGRITTHANON / Peerapong SOMBUTWONG組が9時間21分07秒でトップ。2位は10時間06分26秒でWichawat CHOTIRAVEE / Athikij SRIMONGKHOL組が、3位はVorapot BUNCHUAYLUEA / Chupong CHAIWAN組が10時間12分28秒でつけている。日本人最高は#4 青木拓磨 / lttipon asimaraks / 椎根克彦組で、10時間20分17秒となっている。


![]() |
![]() |
![]() | |
![]() |
![]() |
![]() | |
![]() |
![]() |



9日から始まったFEDERAL-FLEXアジアクロスカントリーラリー2014も、いよいよ明日LEG6で最終日を迎える。現在、二輪では#110 前田啓介選手が総合トップの成績だ。また、四輪では#4 青木拓磨 / lttipon asimaraks / 椎根克彦組が4位につけている。日本人選手の活躍に期待したい。