Race Report 2017
LEG 1

ジャングルの迷路を真っ先に抜け出したのは誰だ!?
LEG1_8/14(月)アユタヤ ー カンチャナブリ 347.73km


競技初日はアユタヤからカンチャナブリに到る347.73kmの道程だ。うちタイム計測が行われるセレクティブセクション(SS)は192.92km。100km付近には PC STOP が設けられ、短い時間ながら簡単な整備や給油が行えるようになっている。

コースは非常にトリッキーな設定で、道幅が広くスピードを出せるエリアもあれば、スピードを落として走らねばならぬほど狭い場所もしばしば。特にスタートから25km〜30kmのポイントは生い茂る草木など進路を妨害するものも多く、これらジャングルのセクションでは非常にミスコースしやすくなっている。

後半は軍のトレーニングエリアを抜けて北部のプランテーション(サトウキビ)を走り、南に折り返して再びトレーニングエリア内のジャングルへ向かう設定。170kmポイントからフィニッシュにかけても非常にナビゲーションが難しいエリアとなっている。

この日、先陣を切ってスタートした二輪のエントラントを悩ませたのは、ジャングルエリアのコマ図の細かさと「暑さ」だ。ジャングルといっても鬱蒼とした森ではなく、乾いたサンド路面に木々が脈絡なく生えそろう荒れ地を縫うように進むセクション。

道はぬかるんでこそいないものの、荒れたまま乾燥して凹凸も激しく、一見道とは思えぬほど草木が生い茂るポイントも多数。100m以下の短さで刻まれるコマ図の難しさと相まってミスコース。迷路に悩まされるうちに折からの日射の激しさに飲料水も使い果たし、意識がもうろうとなる中でコースの探索を諦め、カンチャナブリのホテルに向かった選手も数名いた模様。


昨年のチャンピオンもコース内のスピードリミットエリア不通過によって1時間のペナルティーが科されてしまった。
♯1 JC DIRT SHOP7 SITTIPOL RALLY TEAM
KTM 350 EXC-F
Jakkrit CHAWTALE(THA)

トップグループの選手達は比較的短時間でゴールするも、ミスコースしなかった者はなく、オンコースに戻るまでの間にチェックポイントを通り過ぎてしまうケースが多発。昨年のチャンプ ♯1 Jakkrit CHAWTALE選手(THA)や ♯2 Yoshio IKEMACHI(JPN)選手も1時間のペナルティを食らっていた。


好タイムでジャングル抜けだしてきた池町選手だったが、チャンピオン同様1時間のペナルティー。
♯2 Team FB International
KTM 350 EXC-F
Yoshio IKEMACHI(JPN)

ラリー入門マシンとしても扱い易い HONDA CRF250 Rally は今大会に3台が出場している。
♯19 HONDA CRF250 Rally
Eiji SUGIYAMA(JPN)

そんな中、ひとりだけ4時間台のタイムでゴールした ♯30 FURUKAWA BATTERY INDONESIA の Kadex Yuli RAMAYADI 選手(インドネシア・HUSQVARNA FE250)がブッチギリで優勝。2位には同チーム同マシンの ♯11 Rudy POA 選手が、3位には同じくHUSQVARNAを駆る ♯7 Pruchayar CHAIYASOTHI(タイ)がつけた。


コース内のリバークロッシングポイントには多数の地元ファンが詰めかけた。
♯30 FURUKAWA BATTERY INDONESIA
HUSQVARNA FE250
Kadex Yuli RAMAYADI(IDN)

ゴール直前の渡河ポイントにあふれ出した水飲みの牛たち。トップ選手到着前には、ちゃんと姿を消してくれた。

四輪は二輪が出発した後、1時間のインターバルを開けてコースインしたが、やはり、助手席にコマ図に専念できる案内人を乗せながら走る彼らは、こういったナビゲーションの難コースにも強い。二輪と同じコース設定ながらトップ8は4時間を切るタイムで迷路から抜け出している。

中でもトップの ♯101 Nutthaphon ANGRITTHANON(タイ)/ Peerapong SOMBUTWONG(タイ)組は ISUZU D-Max を駆り3時間33分という驚異的なタイムでゴール。連続優勝記録を更新中のチャンピオンは、今年も例年通りの強さを発揮している。


♯101 The Land Transport Association of Thailand Isuzu Singha Team
ISUZU D-Max(T1D)
Nutthaphon ANGRITTHANON(THA)/ Peerapong SOMBUTWONG(THA)

続く2位は、なんと22番手からスタートした ♯125 の Yanapat JUNPLOI(タイ)/ Athikij SRIMONGKHOL(タイ)組。TOYOTA Hilux VIGO を駆る彼らの黒いマシンは前を行く20台をゴボウ抜きにし、チャンピオンに40秒差で肉薄する、という離れ業を見せてくれた。


♯125 TOYOTA Hilux VIGO(T1D)
Yanapat JUNPLOI(THA)/ Athikij SRIMONGKHOL(THA)

3位はタイの ♯106 Wichawat CHOTIRAVEE / Chonlanut PHOPIPAT 組。元はアジアXCラリーを取材するメディアからドライバーに転向した Wichawat 選手は、近年ステディな走りで上位に食い込むようになっていたが、今年の ISUZU Mu X の走りはさらに良くなっている印象だ。


♯106 ISUZU DELO Sport YOKOHAMA VVP 4X4 Lenso ART OFFROAD Team
ISUZU Mu X(T1D)
Wichawat CHOTIRAVEE(THA)/ Chonlanut PHOPIPAT(THA)

続く4位、5位は Toyota Cross Country Team Thailand の TOYOTA Hilux REVO勢。4位がTRDカラーの♯102 Tadamitsu NIIHORI(日本)/ Chupong CHAIWAN(タイ)組、5位がファルケンカラーの ♯119 Jaras JEANGKAMOLKULCHAI(タイ)/ Kittisak KLINCHAN(タイ)。このチームは2台とも安定して速い。


♯102 Toyota Cross Country Team Thailand
TOYOTA Hilux REVO(T1D)
Tadamitsu NIIHORI(JPN)/ Chupong CHAIWAN(THA)

♯119 Toyota Cross Country Team Thailand
TOYOTA Hilux REVO(T1D)
Jaras JEANGKAMOLKULCHAI(THA)/ Kittisak KLINCHAN(THA)

そして6位につけたのがクルマ椅子のドライバー ♯108 Takuma AOKI(日本)選手。ナビの Ittipon SIMARAKS(タイ)選手に加え、サポートの Katsuhiko SHIINE(日本)選手と3人で戦い続ける彼らは、今年は ISUZU から TOYOTA に転向、HILUXの SUVバージョン フォーチュナー で上位に食い込んで来た。今年はクルマの出来もいいのか、端で見ていても気持ち良さそうにカッ飛ばしているのが分かる。


♯108 FORTUNER GEOLANDAR takuma-gp
TOYOTA FORTUNER(T1D)
Takuma AOKI(JPN)/ Ittipon SIMARAKS(THA)/ Katsuhiko SHIINE(JPN)

とはいえ、四輪の選手達もミスコースは避けられず、スタート後25kmあたりのジャングルで、ほとんどのチームがルートをロスト。その後オンコース上にリカバリーを果たすも、半数近くがコース上に設定された「スピードリミットエリア」不通過による1時間のペナルティを受けている。

なお未確認情報ながら優勝候補の一角 ♯102 Tadamitsu NIIHORI(日本)/ Chupong CHAIWAN(タイ)組はパンク修理によるタイムロスがそのままトップチームとの差になっている模様。上位6台が15分以内にひしめく四輪は、今後も目が離せない状態になっている。


LEG1 RESULT

Moto

Auto

SideCar
LEG2 START LIST

Moto

Auto

SideCar
FEDERAL Corporation VESSEL CO.,INC. FB 中央自動車大学校 tachigami FEDERAL Corporation VESSEL CO.,INC. FB 中央自動車大学校 tachigami