2日目はミャンマーとの国境沿いを走り、元のホテルへ戻ってくるループコース。総走行距離は287.88kmと今大会で一番短いものの、SSは198.95kmと比較的長め。108.07kmポイントには PC STOP が設けられ、コースは前後半に二分されている。
前半はミャンマー国境まで20km近くまで迫る山岳路。ジャングルは深く、路面には穴が多数、ロック地形にガレ場、河渡りにロングヒルクライムなど、多彩な地形が待ち受けている。特に PC STOP の手前では背の高い草が多く道が見えづらい上、雨が降るとヌタヌタの極悪地形に豹変する。
後半は走り出してすぐに河渡りがあり、村から村へと続くプランテーションの道を走るルート。5割〜6割くらいはハイスピードセクションとなっていた。
このSSは競技期間中最も難度が高いと言われていたルートだ。前半29km付近には四輪駆動車でないと絶対登れないガレ場のロングヒルクライムがあり、雨がちだったレッキ時にはウインチを使用しないと登れなかったという。
ところがここ一週間ほど晴れの日が続いたため、川は干上がり、路面は固く締まり、バンピーではあるもののグリップ自体は良好。ナビゲーション的にも初日ほど難しさがなかったため、競技は順調に行われていた。
しかし、後半168km付近の集落を四輪の上位グループが通過した際、コマ図に示された SLOW DOWN の指示を守らなかったクルマがあり、道路脇にいた小さな子供が泣きじゃくり、これに怒った村民が「通過は承知していたが、これはないだろう」と後続の走行を拒否、連絡を受けた主催者が競技をキャンセル、村民にお詫びをすると共に参加車両を別ルートで一般道へ誘導する、というひと幕があった。
この経緯は19時からのブリーフィングで伝えられ、改めてコマ図に記された注意事項の遵守を選手及び関係者に通達。また、競技については集落の手前15kmに設けられていた「スピード リミテッド エリア」までの計時タイムによって全車の順位が決定されることが発表された。
この措置により、二輪で最速タイムとなったのは昨年のチャンピオン ♯1 の Jakkrit CHAWTALE 選手(タイ)。 続く2位は ♯9 の Chatthai PHRUETISAN 選手(タイ)選手、そして3位には ♯2 の 池町佳生 選手が入賞、4位には ♯3 江連忠男 選手がつけた。
これにより、総合トップは ♯9 Chatthai PHRUETISAN 選手(タイ)、2位が5分19秒差で ♯3 江連忠男 選手、さらに4分33秒の差で 3位 ♯1 の Jakkrit CHAWTALE 選手(タイ)という陣容になった。
なお、初日に1時間のペナルティを受けた ♯2 池町佳生 選手が、トップから17分34秒差の4位という驚異的なポジションまで順位を回復させている。
四輪はこの日も ISUZU D-Max を駆る年チャンピオン ♯101 Nutthaphon ANGRITTHANON(タイ)/ Peerapong SOMBUTWONG(タイ)組 がトップタイム。
2位には ♯102 の 新堀忠光 / Chupong CHAIWAN(タイ)組 のハイラックス レボ がつけ、続く3位には同じ Toyota Cross Country Team Thailand の ♯119 Jaras JEANGKAMOLKULCHAI(タイ)/ Kittisak KLINCHAN(タイ)組 が入賞した。
また4位には トヨタ フォーチュナーを駆る ♯108 青木拓磨 選手 がつけ、続く5位には ♯103 Wongwirot PALAWAT(タイ)選手が追い上げてきた状況。
チーム別に整理すると、1位と5位が D-MAX を駆る「The Land Transport Association of Thailand Isuzu Singha Team」、2位と3位が ハイラックス レボ の「Toyota Cross Country Team Thailand」となり、この2チームの戦いが激化、 その一角に 青木拓磨 選手が潜り込む、という図式になっている。
明日はカンチャナブリからナコンサワンに北上するルート。一部平坦な道やオープンエリアはあるものの、基本は山がちな地域で競技は行われる。ここ数日の晴天でマッド路面に遭遇する可能性は低くなりつつあるが、固い路面が相手ではマシンにダメージが蓄積されていくことが予想される。果たして、どのチームが生き残るのか。ラリーは中盤の消耗戦へと突入する。