8月13日(火) 晴れ時々曇り カンペンペット → メーソット

LEG3

399.44km リエゾン:220.10 SS:179.34km

いすゞ VS トヨタ 因縁の戦い

競技は中盤戦に突入した。2日目までの移動でラリーはタイの北部地域へと足を踏み入れていたが、この日最も心配されていたのが前日来夜降り続く雨の影響だった。

また、コースレイアウトは小さなジャングルとジャングルを繋いでいくような設定で、木がまばらになるオープンエリアでは分岐がいくつも現れることからナビゲーションが非常に難しく、ミスコースでタイムに差がでやすいエリアとしても知られていた。

前夜のブリーフィングではコースディレクターから「迷わずに走り切るのは困難。ナビゲーションはいつも以上に注力して欲しい」との注意喚起があり、「路面状況が悪く、ナビも難しい」という二重苦の戦いとなることが予想された。

ところが、むしろ局地的に降雨が少なかったのか、競技区間は道が湿ってはいたものの極悪なマッド路面になることはなかった。むしろ埃が立たない分、追い越しなどのバトルが容易となり、全体的には走りやすいセクションとなった。またナビゲーションも2015年大会ほど極端に難しいものではなく、序盤戦のように比較的ハイスピードな戦いが繰り広げられることとなった。

MOTO class

#14 Muhammad Hazlami MUSTAPA KAMAL (MYS) TEAM MALAYSIA ASIA RALLYE, Honda CRF250 Rally

数人のライダーにインタビューしたところ「ナビゲーションに慣れない人にとってはとても緊張するルート設定」とのこと。でも「分岐がたくさんあり、ゲーム性があった」とのコメントもあり、逆にその難しさを楽しんでいた選手も存在した。

実際には幾つか迷いやすいポイントもあり、なかでもフェンスが目印となるポイントでは、コマ図は正しいが実際の景色は異なり、それに気づくことができるかできないかでタイムに大きく差が出たとの話しもあった。

ではこのようなコースを走るにはどんなスキルが必要なのか。経験豊富な選手に尋ねてみると「スピードを出せるところはハイペースで、ペースを落とすべきところではしっかり落とし現在位置を確認できる人がスムーズに駒を進められる」とのこと。また、コマ図にはあるが実際には見えない道に気づくか否か、といった観察力の高さも勝負の分かれ目になって行くのだという。

いずれにせよ路面もナビゲーションも事前に伝えられていたほど難しいものではなく「総じて楽しい」というのが大多数の意見。半面、疲れがでてきたのか負傷者が徐々に増え始め、確認できた範囲では「鎖骨骨折者3名、うち日本人が2名」との情報だった。

デイリーのタイム的には ♯3のJakkrit CHAWTALE 選手 KTM 450 EXC-F が3時間7分58秒でトップ。♯6の江連忠男(FB International)Yamaha YZ450FX は5分遅れで2位に続き、3位が PlanBee Racing Team with takuma-gp の ♯5 Tomomasa KIMURA 選手、4位が♯1 池町佳生 選手(FB International)となった。

江連忠男選手に話を伺うと「序盤は♯3のJakkrit CHAWTALE 選手と ♯21 David ROPER 選手と一緒に走っていました。でも途中難しいポイントでデイビッドを引き離すことができ、そのままジャッキー(Jakkrit)とゴールすることができました。今回はペースを落としてでもマップをトレースして、ミスを抑えることを優先でやっていたんで、それが功を奏しました」とのことだった。

この結果総合タイムでは Jakkrit CHAWTALE 選手と 江連忠男選手のふたりだけが3位以下を1時間近く引き離す結果となり、優勝争いはほぼこの2人に絞られる形となった。

#16 Willem VERMEULEN (NED) SAVAGES Top 1 oil Race Team, Husqvarna FE
#2 Koun Phan DARA (CAM) Dara Motorcycle TOP 1 Oil, KTM 450EXL
#32 Mufti Muis KARIM (IDN) PERTAMINA Enduro Rally Team, KTM 450EXC-F

SIDECAR class

#66 Masahito WATANABE / Masahiro OZEKI (JPN) Japan Racing Sidecar Association, Wsp WSP

モトクロスタイプの ♯66 渡辺正人 / 大関政広 組は初日のSSのゴール後、リエゾン区間でエンジントラブルが発生し、2日目に終日修理を行ったもののエンジンがかからず、3日目の朝に奇跡的にエンジンが復活。急遽SSに急行してコースインしたものの、転倒によってドライバーの鎖骨が折れ、残念ながら4日目のミャンマー越境は難しい状況になってしまった。

なお、ロシアのウラルを駆る ♯67 の岩本徹男 / 冨本至高 組 は健在。ぜひともサイドカーでミャンマーへの国境を越えて欲しい。

AUTO class


#105 Mana PORNSIRICHERD / Kitisak KLINCHAN (THA) TOYOTA CROSS COUNTRY TEAM THAILAND, Toyota HILUX

この日はチャンピオンマシンではなく TOYOTA CROSS COUNTRY TEAM THAILANDチームの ♯105 Mana PORNSIRICHERD / Kittisak KLINCHANTRD 組、つまりTRDのハイラックスがトップタイムを記録した。

現場でチームを束ねる柏村氏に話を伺うと「特に大きな不具合もなく、ミスコースもほとんどありませんでした。いつも通りのペースです。道が細いところは抑えて、フラットなところは思いっきり行くような感じですね。これで、チャンピオンとの差を2分ほど埋めることができましたが、もうちょっと肉薄したかったですね」とのことだった。

2位は今大会安定した速さを見せているIsuzu Suphan Sport チームの Suwat LIMJIRAPINYA / Prakai NAMJAITHAHAN 組のいすゞ・D-MAX。3位にはチャンピオンの ♯1 Natthaphon ANGRITTHANON / Peerapong SOMBUTWONG 組(The Land Transport Association of Thailand-Isuzu)の D-MAX がつけた。

実は3日目までの総合順位を見てもこの3チームのマシンだけでトップの6台までが埋まってしまっている。

・TOYOTA CROSS COUNTRY TEAM THAILAND(トヨタ・ハイラックス)
・Isuzu Suphan Sport(いすゞ・D-MAX)
・The Land Transport Association of Thailand-Isuzu(いすゞ・D-MAX)

車種もトヨタ・ハイラックスといすゞ・D-MAXの2台が昨年同様、熾烈なトップ争いを繰り広げている。この構図は総合10位までを見通しても変わらず、ピックアップから派生したトヨタ・フォーチュナーといすゞ・Mu-Xが加わるのみ。いすゞ勢6台に対しトヨタ勢4台という勢力図だ。

そしてその直後、総合11位につけてきたマシンは何と四半世紀以上に登場したランドクルーザー80だ。今年から参戦した Team Myanmar の ♯134 Nay Win HLAING / Thu Rein WIN 組のクルマだが、実際にSS内で見ていてもなかなかのスピードで快走していた。


#118 Wichawat CHOTIRAVEE / Cholanut PHOPIPAT (THA) Isuzu Yokohama Delosports VVP 4x4 Team, Isuzu Mu X

#134 Nay Win HLAING / Thu Rein WIN (MMR) Team Myanmar, Toyota LANDCRUISER 80
#125 Masato KAWABATA / Masayuki FUKANO / Kinya MIYAMOTO (JPN) FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES, Toyota LANDCRUISER 150 PRADO
Provisional Result LEG3

Moto

Auto
Provisional Result Overall

Moto

Auto
株式会社サン・クロレラ 中央自動車大学校