8月15日(木) 晴れ パアン → ネピドー

LEG5

502.35km リエゾン:423.35km SS:79.10km

今大会初のミャンマーのステージがスタートした

#3 Jakkrit CHAWTALE (THA), KTM 450 EXC-F

昨日、洪水の跡も痛々しいアジアンハイウェイ1号線を走った参加者達は、その後も夜まで降り続く激しい雨を見て、4日目に続き5日目の競技もキャンセルされると予想する人が後を絶たなかった。しかし主催者の「何があってもSSはやる」という意志は固く、朝になると予定通りの時間にライダー達がホテルを出発していった。とはいうものの、SSスタートまでの93kmのロードセクションでも視界が奪われるほどの激しいスコールに見舞われ、終盤戦も波乱含みの幕開けとなった。

この日のSSはPC(パッセンジャーコントロール)までの前半23kmが舗装、後半56kmがオフロードという設定。舗装路は道幅こそ広くはなかったものの路面の凹凸は少なく、路面がウェットだった以外は降雨による影響も少なく、かなりのハイペースでバトルが行われた。

続くオフロードセクションはほぼ赤土の路面だったが、白く締まった砂やマッド、一部ロックなどの路面もあり、赤土の登り斜面では通過台数が増える度に路面状況が悪化し、最終的にはスタック車が続出するような修羅場になってしまったという。

MOTO class

コースを抜けてきた選手達に話を聞いてみると「ルートは基本的に小さな村から村をつなぐ幹線道で、集まって来た村人達があたたかく見守ってくれた」とのこと。「笑顔で手を振ってくれたり、甘いお菓子をくれたり、みんなが応援してくれているように感じた」という。とはいえ「ミャンマーの人達はラリー観戦など慣れおらず、道の横断や飛び出しなども予想されたため、かなり注意しながら走った」らしい。とはいえ、警官が沿道に立ち、地元住民が不用意に動かないよう注意してくれていた。

SS前半のターマック(舗装路)は対向車もほとんどなく、ハイペースで気持ちよく走れたとのことだったが「幹線道路がメインでコマ図はほとんど不要」という人もいれば「どこで曲がればいいのかわからずすごく迷った」という人もおり、ここで順調に走れたか否かで全体のタイムにもかなりの影響があった模様だ。

続くオフロードエリアでは赤土の登り路面が「ちゅるちゅる状態」で何人かがスタックしたものので大筋では問題はなかった模様。それよりも所々巨大な水たまりに隠された滑る路面でバランスを崩し、転倒するライダーが続出した模様だ。

#3 Jakkrit CHAWTALE (THA), KTM 450 EXC-F

そんな中、SSの前後半ともに安定した速さでトップタイムを記録したのは ♯3のJakkrit CHAWTALE 選手 KTM 450 EXC-F。3日目に続いて連続してデイリートップを獲得しており、後続との差も広がって一昨年に続く優勝の二文字も見えてきた。

続く♯6の江連忠男(FB International)Yamaha YZ450FX はSS前半で痛恨のミスコース。Jakkrit 選手の独走を許してしまい、総合2位は堅い位置ながら、短めの最終SSでの逆転はなかなか厳しいタイム差になってしまった。

なお、SSゴール後は330kmの長距離リエゾンなのだが、ここで使用する高速道路がオートバイ不可であるため、二輪のマシンは全てトランスポーターに載せられて首都ネピドーまで搬送されていった。

5日目までの時点でライダーの深刻な事故、ケガはなかったが、確認できた限りでは前転、転倒が数人。水没後復旧して自走でフィニッシュしたライダーが1人という状況だ。

#15 Takuya ONO (JPN) ETENOIR, Yamaha YZ250FX
#23 Daigo MIYAZAKI (JPN) DIRTSPORTS RT with Team JAPAN, Husqvarna FE450
#7 Hisazumi FUKUMURA (JPN) FB JAPAN, Husqvarna FE450
#11 Rudy POA (IDN) INDONESIA CROSS COUNTRY RALLY TEAM, KTM SS600
#34 Peng CHAOXIAN (CHN) SAVAGES Top 1 oil Race Team, Husqvarna FE

SIDECAR class


#67 Tetsuo IWAMOTO / Shikoh TOMIMOTO (JPN) Japan Racing Sidecar Association, Ural GEAR UP

AUTO class

#111 Jaras JAENKAMOLKULCHAI / Chupong CHAIWAN (THA) TOYOTA CROSS COUNTRY TEAM THAILAND, Toyota HILUX

この日もTRDのハイラックスがデイリートップを獲得した。♯111 の Jaras JAENKAMOLKULCHAI / Chupong CHAIWAN 組である。ミスコースもなくチャンピオンのナタポン選手を1分近く引き離し、ただひとり1時間を切る爆速タイムを記録した。総合2位の♯120 Suwat LIMJIRAPINYA / Prakai NAMJAITHAHAN 組(Isuzu Suphan Sport)いすゞ・D-MAX に対しても4分半近く縮め、その差を6分にまで短縮した。

直近のSS結果では 同じ TOYOTA CROSS COUNTRY TEAM THAILAND チームの♯105 Mana PORNSIRICHERD / Kittisak KLINCHAN 組がデイリートップを飾っており、TRDチームは日替わりでヒーローが生まれる層の厚さで中盤戦以降安定した速さを見せている。唯一残念だったのは、2位に総合で2分差と肉薄していた ♯105 番がウォータースプラッシュエリアで被った大量の水によるコンピュータートラブルからタイムを落としてしまったこと。チームとしての総合3位と4位は変わらないが、2位との差は開いてしまっている。

この日は、中段にいた2台のマシンがトップ争いに絡むタイムを記録してきたこともトピックのひとつだった。♯121 のChayapon YOTHA / Banphot AMPORNMAHA 組( Morseng Racing Team)のいすゞ・D-MAX と♯119 の Songyos THIENTHONG / Somkiat NOYCHAT 組(Sa-Kaeo King Off Road)のトヨタ・ハイラックス VIGO だ。どちらもタイのチームなのだが、初めてのミャンマールートをものともせず、活き活きと走っていたのが印象的だった。

#121 Chayapon YOTHA / Banphot AMPORNMAHA (THA) Morseng Racing Team, Isuzu D-MAX
#119 Songyos THIENTHONG / Somkiat NOYCHAT (THA) King Off Road Sakeao, Toyota VIGO

反対に、トップグループから脱落してしまったのが ♯112の青木拓磨 / Itthiphon SIMARAKS / 椎根克彦 組(FORTUNER GEOLANDAR takuma-gp)のトヨタ・フォーチュナーだ。青木選手のマシンはコーション1の短い渡河エリアに進入した際に水圧でシュノーケル接続部が外れてしまうトラブルがあり、一気に水を吸い込んだタービンが破損、パワーを奪われたところで、赤土のマッド・ヒルクライムエリアに到達する、という不運が重なり、その坂をなかなかクリア出来ず、大量の時間を消費してしまったという。

これにより、この日も6番手となかなかのタイムを叩き出していた TEAM JAOS の♯109 能戸知徳 / 田中一弘 組のトヨタ・ハイラックスが総合7番手まで順位を上げ、T1Gのクラス優勝とともに6位入賞を伺う形となった。


#109 Tomonori NOTO / Kazuhiro TANAKA (JPN) TEAM JAOS, Toyota HILUX

なお、JAOSの能戸知徳選手によると、例の赤土のマッド・ヒルクライムエリアは「自分達が通過した時はまだ、なんとか登れる状況だった」との話で、ここは通過順によって大きくタイムに差がついてしまうポイントとなった。現場では複数台がスタックしてコースを塞いでしまう場面もあり、ウインチングが行われ、♯110 の 山本 則博 / 辻本 隆志 / 西川 和久 組(AKINDO-GO)のFJクルーザーなどもその救出に活躍した。

Provisional Result LEG5

Moto

Auto
Official Result Overall

Moto

Auto
株式会社サン・クロレラ 中央自動車大学校