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#17 Jakkrit Chawtale (JC DIRT SHOP Rally Team)
#115 Ditsapong Maneein / Athikij Srimongkhol (Isuzu Suphan Explorer Liqui Moly Rally Team)
#123 Pittiphon Promchotikul / Charin Harnsungnoen (NEXZTER REST CLUB_NXRC)
Würth Award 1st: #17 Jakkrit Chawtale (JC DIRT SHOP Rally Team)
8月14日(月)晴れ、
パタヤ → プラーチーンブリー
総走行距離:384.22km リエゾン:177.41km SS:206.81km

LEG 1

6日間にわたる厳しい競技がスタートした
アクシデントやミスコースで波乱の幕開け

真夏の風物詩「アジアクロスカントリーラリー」の競技がいよいよ始まりました。朝6時、まずはモトクラス(二輪)のマシン達が GRAND PALAZZO HOTEL PATTAYA を背に、続々とスタートして行きました。

最初の競技区間(SS:スペシャルステージ)はパタヤ市から北東に128kmほど走ったところにあります。全ての競技車両はそこまで一般路を使って交通法規を守りながら移動します。この移動区間を今後リエゾン、またはロードセクション(RS)と表記します。

時間通りSSの入り口に到着したマシンはそこで定められたスタート順に整列し、定められた時間に出走します。この日は最初のバイクのスタートが8時35分、20台のバイクと1台のサイドカーが1分間隔で出走した後、安全のため1時間の間隔を開けてオートクラス(四輪)がスタートして行きました。四輪の出走間隔は2分です。

最初のSSは全長206.81km。中盤にPC(パッセージコントロール)が設けられ、競技マシンは通過後に軽い整備を受けることができます。ここを境にコースは前後半に分かれます。なお、PCとは通過を義務付けられたポイントであり、ミスコースや途中リタイヤなどでここを通過することできない選手にはペナルティの時間が加算されます。

多くの選手がミスコースに悩まされた

前半はプランテーションのエリアで、農地に沿って続く真っ直ぐなダート道が右左折の直角コーナーと組み合わさっていました。道幅は狭く、農作物によって左右の視界が限られる中、突然現れる十字路や直角コーナーをルートマップ通りに正確にトレースせねばなりません。ここはナビゲーションの難度がかなり高かった模様です。

コースは9割9分がドライコンディション。想像以上にアップダウンが激しく、急角度のヒルクライムやヒルダウンもそこかしこにありました。路面は乾燥して硬く、その上にサラサラの砂が乗った状態でとてもスリッパリー。凸凹も激しく、降雨後にタイヤの轍が固まった極悪地形もあり、サスペンションには非常に厳しい路面となりました。

2輪も4輪もひと握りの選手のみがミスコースなく走破できていましたが、残る9割の選手はミスコースに悩まされ、コース内はかなり混乱した模様です。そんな中、正しいコースを探し回る競技車両同士のニアミスも発生。四輪の中には正面衝突で大破、リタイアを余儀なくされたマシンもありました。また、事故車両が塞いだオンコース上で後続のマシンが足止めされるなど、中盤以降のスタート順のマシンはかなりの混乱に巻き込まれました。

PC以降の後半は灌漑用水路や野生ゾウを防ぐフェンスに沿って続く高速トラック道など、前半に比べるればナビゲーションは易しめで、大きなトラブルもなく選手達はゴールしていました。

早くも上位数名が優勝争いに名乗りを上げた

2輪のトップは KTM の 500 EXC-F を駆る #17 JC DIRT SHOP Rally Team の Jakkrit Chawtale 選手(タイ)。2位は #2 Team Cambodia の Koun Phandara 選手。

この2名のみが4時間半ほどのタイムで難コースをクリアしており、続く3位の #10 Team OTOKONAKI の 山田伸一 選手 を始めトップ5が5時間台でゴールしているものの、それ以降の選手は約200kmのSSを6時間〜8時間近くかけ、ゴールにようやく辿り着いている状況でした。平均時速を考えてみても、このSSがいかにナビゲーションの厳しい難コースだったか理解することができます。

今年も序盤戦はいすゞ勢が強い

4輪はこの難コースをものともせず、アベレージ60km/h近い高水準を叩き出してゴールした いすゞ D-MAX の #115 Isuzu Suphan Explorer Liqui Moly Rally Team の Ditsapong Maneein(タイ)/Athikij Srimongkhol(タイ)組が総合トップ。

続く2位も同じチームの #110 Suwat Limjirapinya(タイ)/Prakob Chaothale(タイ)組が約9分差でゴールし、ワン・ツーを飾りました。

昨年も序盤戦で圧倒的な速さを見せつけたいすゞ勢ですが、今年もそのスピードは健在です。

3位は #111 TOYOTA GAZOO RACING THAILAND の Mana Pornsiricherd(タイ)/Kittisak Klinchan(タイ)組がトップから約15分差でゴール。チームメイトの #102 Jaras Jaengkamolkulchai(タイ)/Sinopong Trairat(タイ)組も5分ほどの差で5位につけており、参戦以来ずっと2位の成績に甘んじてきたチームも念願の初優勝を手に入れるべく、絶好の位置に付けています。

4位は #123 NEXZTER REST CLUB (NXRC) の Pittiphon Promchotikul(タイ)/Charin Harnsungnoen(タイ)組、6位には新型トライトンを駆るディフェンディングチャンピオン #101 Team MITSUBISHI RALLIART の Chayapon Yotha(タイ)/Peerapong Sombutwong(タイ)組がトップから約21分差でつけています。

なお、昨年総合3位、4位と気を吐いた TOYOTA GAZOO RACING INDONESIA の2台はどちらもマシントラブルにより順位を大きく落としてしまっています

#103 TOYOTA GAZOO RACING INDONESIA の 塙郁夫(日本)/染宮弘和(日本)組は 燃料系統のトラブルでオンコース上からの牽引を余儀なくされ14時間という大きなペナルティー。#105 の 青木拓磨(日本)/Ittipon Simaraks(タイ)/Songwut Danphiphattrankoon(タイ)組はフロント右のドライブシャフトのトラブルで24分のペナルティーを受け、28位となっています。

SS後は約49kmのリエゾンを経て Tarawadee Resort Hotel にて1日のゴールを迎えましたが、多くのマシンが傷付き、中には翌日の出走も危ぶまれるような重整備を行うチームも見受けられました。

明日のSSは今大会最長の207.26kmを誇り、総走行距離も一気に463kmまでハネ上がります。「今大会の勝負は極悪コンディションのラオス」と言われていますが、まずは国境越えまでの序盤中盤戦をどれだけステディーにこなしていけるかが、ひとつのキーになって行きそうです。

(写真/高橋 学、文/河村 大)

MOTO

走行コンディションは問題なし、コマ図に手こずった1日目

今大会スタート地であるパタヤに来てからというもの、雨期だというのに雨が降らない……。例年であればだいたい早朝、朝陽が空を照らす前と、日中、そして夕方に大粒の雨がドサッと降って地表の温度を下げてくれるけれど、今年はどうも違う模様。とはいえ、日陰にいれば湿り気を含んだ吹く風も心地よく、ホテルの冷蔵庫のような冷房に比べたらよほど人間の身体には優しい気がする。酷暑が続く日本からやって来た身としては、いくら汗をかいても「あぁ、そうだよね、ここはタイだからね」と、心は受け入れムード全開で気分が上がるというもの。

さて、MOTO部門には20名がエントリーした。国籍はタイ、カンボジア、インドネシア、ベトナム、台湾、日本など。SS1のスタートで1台ずつ、赤い土煙を残しながら出走する様は、まさにいつもの南国ラリーという印象。全台にカメラを向けて赤土のファンデーションを浴びると、帰国後のカメラメンテナンス費用に杞憂することも忘れ、自分のバイクで走る参加者全員の姿を記録に残そうと、こちらも必死になる。

競技に使われる車両はさまざまで、スウェーデン発祥のハスクバーナ・モーターサイクルズが最も多く、そのファミリーブランドであるKTM、日本が世界に誇るホンダ、そしてヤマハ、カワサキなど。

面白いのは(と言っては大変失礼だが……)、台湾から初出場となる3人組に輸送アクシデントがあり、当日彼らは現地のレンタルバイクに乗ってオフィシャルホテルにやって来た。どの車両もタイヤはツルツルでどうなることかと思ったが、チームリーダーを中心として車検当日までに最低限のラリー装備(ラリータワー、GPS、ドライブレコーダーなど)と新品タイヤを整え、無事スタートを切った。サポートもなく、宿泊などの荷物は彼らの身内(奥様方)が運び、初日を乗り切っている。なんともたくましい。

LEG1では終日晴れ、スコールもなく照り付ける強い陽射しのなか、バイクを駆るライダーたちはとにかく暑さと戦っていた様子。サービスエリアで駆け付けの一杯にコーラを3本(ミニサイズ)という光景も見られた。

これはMOTOに限った話ではないが、どうもコマ図(ルートブック)の読み取りに苦戦していたようで、いわゆる一方通行となる道でも、迷って戻ってくる、逆走してくる車両とすれ違うこともあったという。

一般道、地元民が使う道路をつないで形成されるアジアンラリーのルートは、とにかく道が分かりづらい。そのうえコマ図の距離とサインがズレるとなれば、走りながら地図も読まなければならないライダーにとっては相当な負担だろう。

MOTOではトップを走るライダーが数台(5~6台)に、大きく離れて後続車、といった感じだった。残念ながら負傷者もあった。そして唯一のサイドカー(ウラル)は茂みに隠れたコンクリートの塊に引っかかるように横転、ドライバーとパッセンジャーが投げ出された。大きな怪我はなかったものの、ドライバーは頭部を、パッセンジャーは左ひざを強打したため、大事をとってデイキャンセルとした。

などと、初日からいろいろなことが起こるのもラリーというもの(と、皆が口を揃える)。誰に文句を言うでもなく、いま、自分ができる最善の選択をする、そんな彼らの姿を見ていると、こちらまで俄然やる気が出てきてしまう。

まだ始まったばかり、ようやくいつものアジアンラリーが戻ってきたところ。競技者ではないこちらも、全日程が終了するまで、全てのライダーの姿を追い続けようと、あらためて感じた1日だった。

(写真・文/田中善介)
Provisional Result
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MOTO, SIDECAR
Start List Leg2
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